Tech Blog

宇宙世紀到来!?~宇宙機器向け熱解析シミュレーションサービス始めました~

人物
小野です!
よろしくお願いします!!

こんにちは、小野です。
今回は、OKIアイディエスの新しい熱解析シミュレーションサービスをご紹介します!

人物
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします!
人物
小野くん、あけましておめでとう。
今年もよろしくお願いします。早速ですが、今年の目標などありますか?
人物
毎日健康です。あとは平和に暮らせれば…。
人物
シャアのような勢いはどうしたのですか。あの勢いで「閃光のハサウェイ」を観たときに私は閃いたのです。これからの時代は宇宙だと!
人物
はぁ…。
人物
国内でも、「宇宙」向け産業が活性化してきている感じがします。アニメで見た「宇宙世紀」の到来が現実になってきているのかと、こんなおっさんでもワクワクが止まりません!!長生きしなきゃ!
人物
若いボクだって「宇宙」と聞くだけで心が躍ります!未来がどうなるのか、ワクワクが止まりませんね!
人物
OKIグループでも「宇宙」に向けた取り組みを始めています!昨年末から立て続けにプレスリリースを発表し、巷を賑わせています!
人物
来たるべき宇宙世紀に向け、我らがOKIアイディエスも新しいサービスを発表しました。それが「宇宙機器向け熱解析シミュレーションサービス」です!
人物
熱解析シミュレーション…。
今までこのブログで紹介してきたサービスやIPとはまた一味違いますね。
人物
フッ、そうなんです…。突然出てきて戸惑うお客様やファンの方もいらっしゃるでしょう。そこで、このサービスについて、このブログで解説していきます。








なぜ熱解析シミュレーションなの?

人物
実は当社では、以前から産業機器や通信機器の設計開発の中で熱解析を行ってきました。小野くんはもともと機械設計のエンジニアでしたよね。
人物
はい、忘れられがちですが、実はもともと機械設計のエンジニアでした。
異動前は、開発過程でさまざまな部品やデバイスの情報をかき集めて熱解析を行っていました。懐かしいなぁ…。
人物
実は、最近では航空宇宙関連の開発のご相談も
増えてきました。ありがたいことにソフトウェアの開発だけでなく基板設計や筐体も含む装置の開発も多く手掛けています。
人物
そこで培ったノウハウを基に、正確性の求められる航空宇宙という分野に向けて、熱解析のサービスを展開しよう!となった運びです。








そもそも熱解析シミュレーションとは?

人物
そもそも、熱解析が何なのか、どんな目的で行うのか、知らない人も多いのでは?
人物
その辺りから説明しますね。
電子機器にはデバイスが搭載されており、主要な発熱源となるのは、まさにデバイスです。デバイスは稼働中に熱を発生させ、これが過剰になると性能低下や、故障の原因になります。
人物
温度が上がりすぎると、使用者がケガをする可能性も出てきます。そういった問題は設計段階で知っておきたいですよね。
人物
熱解析は、設計した機械や装置(システム)の熱的な挙動を解析するプロセスです。
これにより、部品や装置がどのような温度分布を示すのかを理解することができます。
人物
具体的にはどんな目的で熱解析を行うのですか?
人物
前述したように、熱解析を行うことで、装置、部品レベルで温度分布を予測することできます。装置の要求スペック、動作保証、許容温度があるため、これらを満足するための設計が必要です。
人物
たとえば、温度変化によって膨張・収縮が繰り返されるとクラックが発生するなんてこともあります。
人物
このような問題を未然に防ぐためにも、熱解析は非常に重要と考えています。
人物
構造の見直しや部品の選定の参考になりますね。たとえば、冷却用のファンの種類や数、ヒートシンクの配置などを考える上で重要です。実際、僕も昔そんなことを考えながら設計していました。
人物
冷却用の部品を単に追加すれば良いというものではありません。より効率的に冷却を行うためには、ファン、ヒートシンクを最適な位置に配置することが重要です。また、発熱源となる部品の配置やエアルートを工夫することで、無駄なエネルギー消費を削減できる可能性もあります。
人物
実際に熱解析を行い、装置のファンの数を減らした事例もあります。
これにより、製造コスト削減にもつながります。
目指すは、ファンレス設計です!

熱解析

人物
熱解析は、製品の信頼性や安全性を高めるために重要なのです。設計の初期段階で、問題を予測し、対策を講じることで、開発の手戻りを減らし、市場投入後のトラブルを未然に防止することができます!








宇宙向けの熱解析シミュレーションって何が違うの?

人物
今回のテーマは“宇宙向け”の熱解析ですよね?
地上の熱解析と宇宙向けの熱解析では何が違うんでしょう?
人物
いい質問ですね。
ところで、ロケットって儚いんですよ…。
人物
うわ、突然エモいことを言い出し始めました…。
人物
ロケットは打ち上げ後、1時間足らずで宇宙空間に到達します。高度が上がるにつれて空気は薄くなり、ついには真空状態に。真空状態、つまり“空気”がない状態です。この点が、地上との大きな違いです!
衛星などを分離すると、その役目を終え、その後、大気圏に再突入し、多くは摩擦熱で燃え尽きます。実に儚い…。
人物
“空気”の有無って大きすぎる違いですね。熱の伝わり方が大きく変わります。空気のある状態では、熱は主に空気の流れ、つまり「対流」により移動しますが、空気のない宇宙空間では、ではそうはいきませんね。
人物
そして、熱解析には装置のモデルが必要です。この装置が発熱し、ロケットの構造体や周辺機器にどのように伝わるかを解析するためのモデルです。
人物
巨大なロケットのモデルも必要なんですか?
そんなことをしていたら終わりませんよ…。
人物
さすがにロケット全体は…。モジュール、ユニット単位で行うのが一般的と思います。
前述しましたが、宇宙空間は空気がない。つまり放熱手段として「対流」は使えない・・・
では、どのような放熱手段があると思いますか?
人物
え?そんなこと言われても・・・
何だろう???
「熱伝導」ですか?
人物
その通り!主に「熱伝導」による放熱が使われるのです。
熱伝導で放熱するには、熱を伝える固体が必要で、実際のロケット構造体と熱的に近い解析モデルを作る必要がある。この解析モデルを「ヒートマス」といいます。「ヒートマス」はロケット構造体と同じ物性値を持っていて、解析対象装置からどれだけの熱量を吸収するかで、その体積が決まります。

ヒートマス

人物
たとえば、熱は発熱源から基板、筐体、そして「ヒートマス」へと伝わっていきます。解析には、解析モデルだけじゃなくて、デバイスの発熱量や材料の熱伝導率といった情報も必要ですね。
人物
ザッツ、ライト!そういった情報は「宇宙向け」だから特別ということではなく、熱解析を行う上で必要です。
冒頭でも言ったように、装置には要求スペック、動作保証、許容温度が設定されているはずです。これらを満たせているかを解析して見極めるのです。
人物
あれ?そうすると「宇宙向け」って…?
「宇宙向け」の要素はないんですか?
人物
焦りなさんな!
「宇宙」は時間と共に急激に環境が変化するという点がポイント!さっきも話したロケットは、短時間で急激な温度や環境変化を経験します。そして、人工衛星は、軌道上を移動しながら、地球の陰に入ったり、太陽に照らされたりする温度サイクルを受け、熱負荷も変わってくるはずです。
人物
確かに!
熱の影響を時間軸で確認しておきたくなりますね!
人物
ジャストミート!!
そう「時間軸」で確認する必要があると考えられます。
そこで「非定常熱解析」を用いることにしました!








非定常熱解析とは?

人物
新たな言葉が出てきましたね!
「非定常熱解析」って何ですか?
人物
非定常熱解析とは、時間の変化に伴う温度分布を解析する手法です。この手法を使えば、機器や環境が温度変動に、どのように反応するかをシミュレーションできて、設計や改善策の検討に役立てることができます。
人物
すごい!そんな画期的な手法があるんですか?
実際、どんなふうに進めるんですか?
人物
このブログで全部を語り尽くすのは難しいですね…。
あ、ちょうど先日、OKIの技術広報誌「OKIテクニカルレビュー」に、このテーマで掲載されたんですよ!
下記レビューに詳しく書かれているから、是非お読みください。
人物
なるほど。うまく逃げましたね(笑)
でも、確かにボスに説明されるより、実際に熱解析シミュレーションを行っている開発者が書いているので安心ですもんね!
人物
逃げてないですよ。(笑)
実際に熱解析シミュレーションを担当している技術者へのバトンタッチといいます。
人物
そういえば気になることが。この熱解析シミュレーションですが、宇宙向け、つまり空気が無い。。。これって「真空」ってことですよね?つまり、宇宙じゃなくても、「真空」状態がある領域でもこの技術は使えるのでしょうか?
人物
いい着眼点ですね!実際、真空環境は多くの分野で必要とされています。
たとえば、電子デバイスや半導体の製造装置、医療機器や食品の包装、さらには真空炉を使う製造工程などなど…。だから、宇宙以外の分野でも大きな価値を提供できると考えております。
人物
なるほど!
宇宙だけじゃないんですね。じゃあ、もっといろいろな産業の方にも提案できますね!
人物
その通り!
だからこそ、私たちのシミュレーション技術は進化し続ける必要があるのです。そして、新しい市場や用途をどんどん開拓していくことが大事になります。君のような若手の新しい視点が、その道を開いてくれると思っています。
人物
わかりました!お任せください!
ということで、宇宙向けはもちろん、真空状態を利用するあらゆる装置やシステムでの優れた性能を実現する、当社の新しい熱解析シミュレーションサービスをどうぞよろしくお願いいたします!
人物
次回のブログ更新は2月を予定しています。
お楽しみに!
  • 記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
  • ここに記載されている仕様、デザインなどは予告なしに変更する場合があります。
  • YouTube

お問い合わせ

お問い合わせ