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Xylonの車載向けデータロガー XYLON QUATTRO

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小野です!
よろしくお願いします!!

こんにちは、小野です。
先日、パシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展 2024」に行ってきました。

今年のテーマとしてカーボンニュートラルの先の循環型社会の実現が掲げられており、最近よく見かけられるようになってきた電気自動車に関する技術を多くみることができました。昨年に比べて出展社の数も大きく増えており、その期待の高さが伺い知れました。車の部品を見ると、従来よりも小型化や軽量化をアピールするものが多いと感じられました。また、検査装置や評価技術の展示もありました。電動化だけでなく自動運転化も進むことで、運転時に得られるデータも大きくなり、その処理も大変になりつつあるのだと感じました。つまり、データ管理や処理の方法がますます重要になるってことですよね!

さて、私も日本電計様ブースにおいて説明員を務めました!OKIアイディエスが取り扱っているXylonのビデオデータロガー“XYLON QUATTRO”を用いたデモを展示し、多くの方にご覧いただきました。皆さんからの関心も非常に高く、大変嬉しかったです。

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小野さん、いないと思ったら人とくるまのテクノロジー展に行っていたんですね。
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こんにちは、増渕さんも行きたかったですか?
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最近の自動車開発に興味があって。OKIアイディエスでも車載向けに開発をしていますからね。
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OKIアイディエスでは車載分野において、設計開発だけでなく、Xylonの製品も取り扱っています。今日はこのボクが説明していきたいと思います。
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今日はグイグイ来ますね…。社内でもXylonについてあんまり知らないって人も多いんじゃないかもしれないし、一緒に紹介していきましょう。








Xylonとは?

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Xylonとはどんな会社なのか見ていきましょう。
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Xylonはヨーロッパのクロアチアのザグレブに本社があります。1995年に設立され、OKIアイディエスと同じく設計開発の受託サービスも請け負っています。AMDのプレミアパートナーにも認定されています。
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AMDのプレミアパートナーということはOKIアイディエスと同じですね。AMD社のFPGA・SoC向けのIPやデザインサービスを提供しています。
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Xylonは、ADAS(Advanced Driver Assistance System)ソリューションの開発に力を入れています。サラウンドビューやDMS(Driver Monitoring System)、そして後でご紹介するビデオデータロガーを開発、販売しています。
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そして、OKIアイディエスとXylonは2014年からパートナー契約を結んでいます。今年でちょうど10年になりますね。さらにXylonの車載組込みソリューションについてご興味を持った方はこちらをご覧ください。
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実は、ボクはこのXylon製品の1つであるのビデオデータロガーの販売が担当業務の1つなんです。人とくるまのテクノロジー展ではXylonの最新ビデオデータロガー“XYLON QUATTRO”を紹介していました。

XYLON QUATTRO









ビデオデータロガーって何に使うの?

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最近は100年に1度の自動車業界の変革期にあると言われています。電気自動車も普及してきましたし、自動ブレーキシステムだけでなく自動運転システムを搭載した車も増えているように感じます。実際、最近の車をよくよく見ると色んなところにカメラだとかセンサだとかが色々ついていますよね。
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フロントカメラとかバックカメラ、レーダーやLiDARのような車の周辺を監視、運転をサポートするものだけでなく、車に乗っているドライバーや助手席、後部座席に座っている人達の検知をするような生体センサや社内の快適性を見る温度センサなど、あらゆるところに、あらゆる用途で実装されていますね。近い将来には50個以上になるかもしれないと言われています。
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取得したデータをもとに最終的に望んだ動作をさせるためには、デバイス同士の連携や同期が重要となってきます。しかし、使用したいECUやセンサなどに合ったデータロガーを用意する必要があります。異なるデータロガーをいくつも用意すると、取得したデータの時刻同期が難しくなるなど課題もありますよね。
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そこでXylonのビデオデータロガー“XYLON QUATTRO”です!その4つのポイントをお伝えします。

“XYLON QUATTRO”のポイント

  • その1 業界最多のインターフェース数
  • その2 大容量のデータ保存量とデータ帯域
  • その3 “XYLON QUATTRO”の制御アプリ“Dashboard”
  • その4 HIL(Hardware-in-the Loop)シミュレーションが可能








ポイントその1:業界最多のインターフェース数

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インターフェースの数が業界最多とのことですね。
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はい、60系統以上も車載インターフェースを搭載しているんです。前の世代のデータロガーであるlogiRECORDER3.5では40個ほどのインターフェースを搭載していました。それでも多いですけどさらに多くなったんです。
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たとえばどんなインターフェースに対応しているんですか?
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様々なインターフェースに対応しています。Video(GMSL/FPD Link), Ethernet, CAN, LIN, FlexRayなどに対応しています。Xylonのビデオデータロガーはスロットカード方式を採用していて、お客様のご要望に合わせて最適なインターフェースカードを選んで、必要に応じてこのインターフェースをカスタマイズすることもできるんです。

XYLON QUATTROのインターフェース仕様

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これだけつながればどんなデバイスが来ても安心ですね!
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さっきちょっと説明しましたけど、カメラやセンサなどの計測デバイスやカメラに合わせてロガーを用意するとシステム構成が複雑になってしまいます。でもこれ1台であれば全部計測ができるんです。








ポイントその2:大容量のデータ保存量とデータ帯域

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実際のところどれくらいのデータを保存することができるんでしょうか?
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データの帯域幅(転送レート)は128Gbpsとなっています。大容量かつ高速でデータを取得して保存するんです。しかも、ビデオは100nsという精度でデータにタイムスタンプを付与します。これは他のデータロガーにはない機能です。しかもデータは最大で128TBまで保存可能です。市販のSSDやクラウドサービスも利用可能なんです
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100ns単位でタイムスタンプを付与できるデータロガーってあまりないそうです。大きなアドバンテージになりますね。データの保存はどのようなファイル形式で行われているんですか?
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MDF4形式もしくはROS bag+ASCII+PCAP形式で保存することができます。ユーザーが選んで保存する事ができるんですよ。

MDF4形式,ROS bag+ASCII+PCAP形式









ポイントその3:XYLON QUATTROの制御アプリ“Dashboard”

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さっきのデータ保存の設定などを行うアプリケーションについても説明していきましょう。
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“XYLON QUATTRO”とWindows PCをLANケーブルで接続し、Windows PCにインストールした“Dashboard”っていうアプリで“XYLON QUATTRO”を操作します。3つのウィンドウからシンプルに設定、操作ができるんです。
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3つのウィンドウがありましたね。そのウィンドウについて1つずつご紹介していきます。
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まずは“ハードウェアコンフィグレーションウィンドウ”です。

ハードウェアコンフィグレーションウィンドウ

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ここでは接続したカメラや車載ネットワーク、Ethernet系デバイス、GPSなどの設定ができます。さっきのデータの保存形式の設定もできますし、SSDの使用状況なども一目でわかります。
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CANやFlexRay、LIN、Ethernetなど接続したデバイスの種類ごとにタブが分かれています。このタブからデバイスの電圧やIPアドレスなどを設定することができます。
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さらに画像左側にはデバイスの接続状況が一目でわかるようになっています。たとえばボックスが緑色になっていれば接続されてアクティブ状態、赤色になっていれば接続されているけど非アクティブ状態といった感じです。
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動作させる前にアプリケーション上で確認することができるので、離れたところにロガーを設置してもわざわざ接続確認をしに行く手間がかからないんです。
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続きまして、“レコーディングウィンドウ”を見ていきましょう。

レコーディングウィンドウ

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ここでレコーディングボタンを押せば、記録開始、停止ボタンを押せば記録終了することができます。
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それだけでなく、センサの情報や時間、GPSで取得した座標情報をトリガーにして記録開始と停止を行うこともできるんです。
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手動設定だけでなく、自動でも記録できるんですね。
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そうなんです。最後に記録した映像データを確認する“プレイバックウィンドウ”を見ていきましょう。

プレイバックウィンドウ

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プレイバックウィンドウではレコーディングウィンドウで記録したデータを確認することができます。映像下のスクロールバーで特に見たいシーンを時系列で選べます。
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映像以外のCANやEthernetのデータも見ることができます。取得したログ1つ1つにタイムスタンプがついているのでいつどんな情報を取得したかわかりますし、もちろん、ビデオデータは100nsの精度で付与されたタイムに基づいてビデオ出力されます。








ポイントその4:HIL(Hardware-in-the Loop)シミュレーションが可能

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それでは最後のポイントであるHILシミュレーションができる点について説明しましょう。
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実際に開発した製品を車に搭載して走行試験を行うのは大変です。たとえば、雨とか雪が降っているなどの天候の条件、山道のような悪路のような道路状況の条件もあります。全部条件がそろった環境で車を走らせるのはなかなかできないんです。
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ADASシステムは、正確で信頼性の高いものが求められます。たとえば10,000時間走行して、ADASシステムを評価する試験も考えられます。自動車を10,000時間も走行させて評価するのは、とても大変なことです。
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そんな時に採用される評価手法がHIL(Hardware-in-the Loop)シミュレーションです。
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開発した製品の機能を、シミュレータで生成された仮想環境下で動作させて、製品がちゃんと機能するのかを検証するんです。
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先日の人とくるまのテクノロジー展では、そんなHILシミュレーションをXYLON QUATTROで行っているデモを展示して実際にご覧いただいておりました。

HILシミュレーションをXYLON QUATTROで行っているデモ

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まず、シミュレータとして今回は Cognata社のシミュレータソフトが採用されました。シミュレータで生成したシミュレーションデータを100Gbit EthernetでXYLON QUATTROへ送信し、ロガー内部で車の前後左右4つのカメラ映像を生成します。ビデオデータに加えてシミュレータから取得したRadar(CAN)やLiDAR(Ethernet)のデータをECUに見立てた評価ボードへ送信し、ECUで受信したカメラ映像を表示させています。
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今回はECUで受信したカメラ映像を表示させただけですが、ECUで受信したカメラ映像に対して、物体検出や車両制御した結果をシミュレータにフィードバックすることもできますね。
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はい。その挙動も“XYLON QUATTRO”
に送られて、データとして保存することができます。
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こんな感じで、単に車に搭載してセンサ情報を記録できるだけでなく、開発者のデスク上でHILシミュレーションを用いた検証までできるんです。
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“XYLON QUATTRO” 1台があれば、評価からHILシミュレーションまでまるまる行えるまさにオールインワンのデータロガーなんです!








終わりに

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小野さん、今日初めてブログの右側に出てみてどうでしたか?
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ちょっと緊張しましたが、がんばって説明しました。読者の皆さんにわかりやすく伝えられていたら嬉しいです。
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日本に上陸したての“XYLON QUATTRO”、ご興味を持った方がいらっしゃいましたら是非当社までお問い合わせください。
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次回のブログ更新は8月を予定しています。
お楽しみに!
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